夫婦ふたりで約25万7千円、おひとり様は約13万7千円の支出
今年も残り3ヶ月となりました。
年々、時間の流れの速さに困惑気味です。
ところで老後資金についての相談を受けますので、今回は老後のお金について書いてみたいと思います。
老後のお金について「公的年金だけで足りるの?」「老後ってどのくらいかかるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。老後の生活について約85%の人が「不安ある」という調査結果もあります。
では、昨年の総務省の家計調査報告(「家計調査年報(家計収支編)2020年」)から、65歳以上のひとりぐらし(単身)、夫婦ふたりの家計を見ていきましょう。いづれも引退した無職世帯のデータです。
65歳からの夫婦ふたり世帯の月の収入は25万6,600円です。
同じくひとりぐらしの収入は13万6,946円となっています。その収入の約90%を公的年金に頼っています。
ご夫婦ふたりの支出の内訳を見てみますと下記のようになります。
- 食費 65,804円
- 住居 14,518円
- 水道光熱 19,845円
- 家具・日用品 10,258円
- 衣服 4,699円
- 保健、医療 16,057円
- 交通通信費 26,795円
- 教養娯楽費 19,658円
- 交際費 19,826円
- 諸経費 19,351円
- 税金 12,589円
- 社会保険料 18,551円
最も多いのは食費で全体の支出の約3割を占めます。これは、昨年のステイホームで外出が減り自炊や家飲みが増えたことが影響しているようです。
次に多いのが交通信費費で26,795円です。意外にかかっているな!という印象です。この項目は、スマホやネットの通信費や交通費になます。
その内訳がわからないので判断が難しいのですが、ネットやスマホ代の負担が大きいような気がします。スマホに関してはここ半年で大手キャリアから約3,000円代の格安プランが出ていますので、今後は下がってくるも思われます。格安プランに変更すると固定費が抑えられ大きな節約につながります。見直しをされていない方は、是非、早めに検討しましょう。
通信会社に圧力をかけて、スマホ代を安くしてくれた菅政権に感謝です。
次にひとりぐらしの支出内訳になります。
- 食料 36,581円
- 住居 12,392円
- 水道光熱 12,957円
- 家具・日用品 5,328円
- 衣服衣料品 8,246円
- 交通通信費 12,002円
- 教養娯楽 12,910円
- 雑費 13,180円
- 交際費 15,253円
- 税金 6,430円
- 社会保険料 5,082円
一番かかっているのは、やはり食費です。
次に多いのが交際費です。その以外の支出は夫婦二人ぐらしと同じような傾向です。
これらの数字を見る限り夫婦ふたりの方が、水道光熱費が安くなりますが、その他の項目は、大きな節約につながってはいないように見受けられます。金額にすると、夫婦ふたりの方の支出と、ひとりぐらし×2倍した支出額では、夫婦たり暮らしの方が約2万円ぐらい節約につながるようです。
ただし、持ち家ではなく賃貸の場合は家賃が違ってきますので、夫婦ふたりの方が安上がりです。
日本の場合、60代の持ち家率は80%台で5人に4人は、住居を確保しています。
ですので、統計上は住居費が夫婦ふたりで14,518円、ひとりで12,392円に抑えらています。もし、賃貸だとすると、さらに家賃のコストが上乗せされてきます。
老後の不安をなくす二つのこと
老後の不安を解消するには、まず、二つのことを考える。
公的年金がいくらになるか確認する
誕生月に届く「ねんきん定期便」で将来もらえる年金額を確認しましょう。老後は新たな収入を得ることが難しいため、公的年金が主な収入源となります。
少子高齢化に歯止めがかからないため、現役世代で年金世代を支える今の制度では支給額は下がると思われますが、死ぬまでもらえる終身年金です。長生きリスクに備える最も大きな収入源です。
65歳になるまでに住まいを確保する
マンションやアパートを借りる場合、食費を上回る最大のコストになる可能性大です。
月5万円の賃貸マンションを借りた場合、30年間で単純計算すると1千800万円かかってきます。賃貸で暮らす場合、持ち家の人よりも住居費を上乗せして準備しなければなりません。
これら数字はあくまでも平均値なので世帯によっては全く違ってきます。もっとゆとりある暮らしをしたい思う方はもっとコストがかかってきます。
節約を考える時に「食費が多い・少ない」や「趣味がかかる・かからない」など細かな支出に目が行きがちですが、支出は人それぞれの価値観が反映されますので、他の人と比べてもあまり意味がありません。よその家計はあくまでも参考程度です。
老後をお金を考えるには、まず、月ごと年ごとに、収入と支出と資産の増減を把握しておくことが大切です。漠然とした不安を早めにクリアにして、「いま」を楽しみたいものです。
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