当たり前のように言われる「3組に1組が離婚する」という結婚の現実。周囲を見渡しても、バツイチの人、バツ2の人も決して少なくありません。この数値だけを見ると、「日本では、結婚したら30%以上の確率で離婚する?」と思ってしまいそうですが、実はそうではないのです。
この数字の出し方が、「年間の離婚件数÷年間の結婚件数」、つまり年間で離婚したカップルの数(2019年21万組)をその年に結婚したカップルの数(2019年58万組)で単純に割った数字です。結婚したカップルを数年、数十年単位で追った数値ではありません。分母と分子の対象が違います。日本は、少子高齢化、若年層の割合が少ないことから、結婚件数が減ってきています。
「3組に1組」という数字は、「結婚した3組のカップルのうち1組が離婚する」という意味ではありません。世間の常識とは、だいぶ印象が違ってきますね。
より現実に近い数字となると、「年齢別有配偶者に対する離婚率」でしょうか。
5歳ごとの結婚している人が対象のデータです。(下の表)
2015年の女性の離婚率は全体で5.07%となっており、結婚している女性の20人に1人が離婚する計算になります。ただし、年齢によって、相当なばらつきがあるのがわかります。
女性25歳から29歳の離婚率は、21.38%で5人に1人が離婚している計算になります。一方、熟年離婚の60歳から64歳では1.03%でだいぶ下がり、100人に1人という少ない数値です。
20代前半(20歳から24歳)での離婚率は50%を超え、2人に1人が離婚するという高い数字です。3組に1組どころではありません。早まってしまったのか、やり直しを考えて、早めに決断しているのか、どちらの要素もあると思います。男女とも、年齢を上がるごとに離婚率が減少し、離婚のハードルが高くなることがわかります。子供の存在も大きく影響していると考えられます。
また、時系列にみると、全体で2000年に離婚率が最も高く5.93%で、それ以降、は減少傾向です。
これも、世間の常識とはだいぶ違っている印象です。
人はポジティブな情報より、ネガティブな情報に敏感に反応してしまいます。
インパクトのある数値が、とても印象に残ります。
「でも、実際のところ、どうなんだろう?」と疑ってみた方がいいかもしれません。
これからの結婚する世代には、数字にとらわれないで、自分らしい選択ができればいいなと思います。
数値はあくまでも、数字、参考程度に。
結婚も離婚も人それぞれ、10人いれば10通りの生き方があります。
ただ、年齢が上がるほど、離婚には慎重になった方がいいです。60歳で離婚しても、その先、30年の人生が残っているんですから。離婚は通過点、ゴールではありません。人生設定は慎重に。
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