裁判で”争族”となるのは遺産額5,000万円以下が7割以上。

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相続争いと聞くと、今は亡き市原悦子さんの「家政婦は見た」という2時間ドラマを思い出します。家政婦演じる市原悦子さんの演技がとても絶妙で、一緒にのぞき見している気分になります。

派遣されるお金持ちの家では、旦那様に愛人がいるのは当たり前、美しい奥様は暇を持て余しテニススクールのコーチと不倫、子供は家に寄り付かず好き放題、親戚は遺産目当てで裏工作・・こんな設定が多かったような気がします。家政婦として働きながら、知ってはいけない秘密を次から次へと暴いていきます。最後は、自己中ドロドロお金持ち一族の前で、家政婦の市原悦子さんが、秘密を暴露し啖呵を切って辞めていくという何ともスカッとする大ヒットドラマでした。

一見、裕福で幸せそうな家も、内実はドロドロ、やっぱり普通がいいよね、お金持ちって大変だね、、と子供ながらに感じ、わが家の庶民の暮らしぶりを肯定されたような気になりました。おそらくこのドラマを観た多くの方に「普通でよかった」「庶民でよかった」と思わせてくれたものです。
今思えば、”贅沢は言わせない、我がままは言わせない”という母の陰謀だったのではと思います。

でも意外や意外、裁判にまで発展する相続争いは、お金持ちだけの問題ではありません。

実際の相続争いの遺産額はそれほど高くないという下記のデータがあります。
相続人では話し合いがつかず、家庭裁判所に持ち込まれたケースのうち、約33%が1,000万円以下です。意外と遺産額が高くないことに驚かれるかと思います。5,000万円以下まで含める(33%+43%)と76%となり全体の3/4を占めています。
実際の相続争いは、意外に身近なところにあるようです。

遺産に占める家やマンションなどの不動産割合が高い場合、すでにその家に相続人が住んでいて、他の相続人と不動産を売る売らないなど、話し合いがつかないケースが多いようです。

数億の資産がある場合は、生前にしっかりと相続対策を講じていることが多く、裁判にまで発展しないようです。

自筆証書遺言の保管が身近になった今、残された相続人が争わないためにも、遺言書を作成しておいた方が良いかもしれません。自分が亡くなった後、家族がお金のことで争うのは悲しいもの、できれば仲良く暮らしてもらいたいものです。

出典:司法統計年報告 平成30年度


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