先日、プロのカメラマンの方と話す機会がありました。
年齢は、40歳後半の男性。白髪交じりで、サラリーマンにない職人独特の空気を漂わせている方でした。基本、人物撮影が専門のようで、モデルなどのオーディション用写真やビジネス用プロフィール写真が専門のようです。
子役やモデル、ミス○○を目指す方を撮影することが多いとのこと。
ここ最近、10代20代の子を撮影する時に、ちょっと困ったことがあるそうです。
撮影本番前に、ライティングをしたスタジオセットでテスト撮影をするそうですが、そのテスト写真を見せると、たいていの子が自分の写真を見て、がっかり落ち込むそうです。意気揚々とスタジオに来るけど、撮影された写真を見て「こんなんじゃない。もっと、かわいいはず・・きれいなはず・・・」というのが本音のようです。
若い子たちは、人気のアプリSNO○やTik○okなど自由自在に加工できるスマホアプリに慣れてしまっていて、「キレイ・キラキラ」の自分の顔が当たりになってしまっているからのようです。
目を大きくすることもなく、肌色もそのまま、リアルさを追求する高性能カメラで撮る写真は、いわばテレビの4K8Kレベルで自分を直視するようなもの。
”プロのカメラマンが撮影するのだから、自撮り写真よりきれいに撮れるはず”との期待が見事に裏切られるわけです。
カメラマンの方にとっては、折り込み済みの流れで、その後はプロの腕の見せ所です。
励まし、おだて、気分を乗せて、、絶妙な角度のいい表情の奇跡の一枚を撮影するそうです。一度は、落ち込んだけど撮影が終わる頃には、自撮りでは撮れない奇跡の写真が出来上がり、満足して帰るそうです。
なんとも、ほほえましいお話でした。
私たちの年代になると、自分にカメラを向けるなんで、履歴書かパスポートを作るときくらい。必要に駆られてです。それでも、心の底で「なんか、違う。なにかが、違う。」と思っている自分がいます。
忖度しすぎるアプリは、わたしたちの無意識の願望をかなえてくれているのかも。
コロナ太りで横幅が大きくなってしまったけれど、洋服は忖度してくれないのが残念。
忖度してくれる洋服ないかな・・・では、また。
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